――「くり上がり」が分かると、計算がぐっと楽しくなる――
どんなプリント?
■ こんなプリント
このセットは、2けたどうしの足し算で必ずくり上がりが出てくる問題だけを集めたプリントです。
1枚につき12問、全部で10枚なので、合計120問の練習ができます。
レイアウトはとてもシンプルで、
- 上部にオレンジ色のタイトル枠「2けたのたし算」
- 右上に「月日」「得点」欄
- 3列×4行に、縦に並んだ筆算(例:71+58、79+27、88+27 など)
という構成です。
どの問題も「一の位どうしを足すと10以上になる」ように作られており、くり上がりの考え方に集中して取り組めるのが特徴です(例:28+47、42+93、43+58 など)。
答えは 100 をこえるものも多く、**「2けた+2けた=3けた」**という経験も自然に積むことができます(例:83+91、70+94、99+16 など)。
■ このプリントで身につけたい力
- 一の位から計算し、くり上がりを十の位に正しく書き移す力
- 十の位・一の位をきれいに縦にそろえて書く習慣
- くり上がりがあっても「やり方が分かっているから大丈夫」と思える計算への自信
「くり上がり」が入るだけで、急に計算が難しく感じる子も多いですが、
型さえ分かれば実はやっていることは同じです。
この10枚は、そんな「くり上がりの壁」を、無理なく・くり返し・少しずつ越えていくためのセットになっています。
■ 基本の使い方
1)「くり上がりなし」からのステップアップに
すでに「2けたの足し算(くり上がりなし)」をある程度スラスラ解けるようになってから、このセットに入るのがおすすめです。
はじめのうちは、
- 先生・保護者が一緒に1問だけやり方を確認
- そのあとで、残りを子どもだけで解かせてみる
という形にすると安心です。
2)1日1枚・5分学習にぴったり
1枚12問なので、慣れてくると5〜10分ほどで解き終わります。
- 朝学習
- 宿題の前のウォーミングアップ
- 授業の「5分計算タイム」
など、ちょっとしたスキマ時間に“1枚だけ”取り組める分量です。
3)授業の導入・まとめにも
授業では、
- 単元の導入…No.1〜3 で「くり上がり」の有無を確認
- 単元の終わり…No.8〜10 をまとめ問題として
といった形で、ミニテスト代わりにも使えます。
右上の得点欄を使っておくと、数時間後・数日後に見返したときに、子どもの成長が一目で分かります。
■ 効果的に使うためのポイント
ポイント1:くり上がりを書く場所を、毎回言葉にする
どのプリントにも、くり上がりが出てくる問題がたくさん登場します
(例:57+76、79+68、19+13 など)。
解いているときは、ぜひこんな声かけをしてみてください。
- 「一の位を足すといくつ? 10 をこえたね。10 と いくつ に分けられる?」
- 「10 のぶんは、十の位の上に小さく書こうか。」
- 「じゃあ十の位は、もとの十の位どうし+その 1 を足したらいいね。」
毎回同じ言い方でくり返すことで、子どもの中に「くり上がりの決まりごと」が定着していきます。
ポイント2:問題のタイプに気付かせる
少し慣れてきたら、
- 「一の位が 9+? の形になっている問題を探そう」
- 「答えが 100 をこえる問題だけ囲んでみよう」
など、“問題さがしゲーム”をしてみるのもおすすめです。
たとえば No.7 には「61+75」「65+99」「73+93」など、“ほぼ3けたになる”ような問題がたくさん並んでいます。
どの問題がどんなタイプなのかに目を向けることで、ただ計算するだけでなく、「あ、これは大きい答えになりそうだな」と見通しをもって計算できるようになります。
ポイント3:時間と得点を記録する
プリントのすみに、
- かかった時間(○分○秒)
- 得点(○点/12点)
を書いておくと、同じプリントをやり直したときの比較がしやすいです。
- 1回目…時間は気にせず、とにかく正しく
- 2回目…同じプリントで「前より早く・正確に」を目標に
- 3回目…「○分以内に全問正解」を自分で決めて挑戦
というように、同じプリントでも別のチャレンジとして使えます。
■ 復習のしかた
1)まちがえた問題だけを“復習カード”に
丸つけをしたら、×がついた問題だけを小さなカードに書き写します。
例)No.3 でよくまちがえたもの:
- 65+51
- 92+85
- 70+94 など
カードを数枚束ねておいて、
- 寝る前に3問だけ
- 授業の始まりの1分だけ
など、ごく短い時間で弱点だけをくり返すことができます。
2)「まちがえ方」を一緒にふり返る
くり上がりありの計算で多いまちがいは、
- 一の位の合計をそのまま下に書いてしまう
- くり上がりを書き忘れる
- くり上がりだけを足して、もとの十の位どうしを足すのを忘れる
などです。
解答を見ながら、
「ここは 8+7 で 15 だから、5 は下、1 は上だったね」
「十の位は 50 と 60 にさっきの 1 を足したから…?」
というように、どこで考えが止まってしまったのかを一緒にたどってあげると、次に同じタイプの問題が出たときに気をつけやすくなります。
3)1〜2週間あけて“ふっかつテスト”
同じ No. のプリントを、1〜2週間あけてからもう一度解いてみる「ふっかつテスト」も効果的です。
- 1回目と2回目の得点
- かかった時間
- まちがえた番号
を比べて、
「前はここで止まっていたけど、今日はすぐにくり上がりを書けたね」
と具体的にほめてあげると、自分の成長を実感しやすくなります。
■ 実際に使ってみた感想(イメージ)
このプリントを使ったときの子どもたちの様子をまとめると、こんな変化が見られました。
- 最初のうちは「くり上がった 1 をどこに書くの?」と戸惑っていた子が、3枚目あたりからは自分で上に小さく 1 を書くようになった。
- 「100 をこえるとなんだかうれしい!」と言って、83+91=174 などの問題を嬉しそうに読んでいた。
- 家庭では、「今日はくり上がりが 2回ある問題が多かった!」と、問題の特徴を自分から話してくれるようになった。
計算が得意な子にとっては「解きごたえのある120問」、
少し不安のある子にとっては「でもやり方さえ分かればできる120問」として、
どちらのタイプの子にも手応えと達成感を味わってもらえる内容だと感じています。
■ こんな方におすすめ
- 「くり上がり」のある2けたの足し算を、しっかり定着させたい
- 授業や家庭学習で使える、シンプルで見やすい筆算プリントを探している
- 「できた!」という小さな成功体験を、毎日のように子どもに味わってほしい
という先生・保護者の方にぴったりのセットです。
■ さいごに
「2けたの足し算の筆算(くり上がりあり)」10枚セットは、
- 1枚12問×10枚=全120問
- すべてくり上がりありの2けた+2けた
- 3けたの答えもふくめて、計算の世界を一歩広げてくれる
ステップアップ用の計算プリントです。
ぜひ、「くり上がりなし」のプリントと組み合わせながら、
お子さんやクラスの子どもたちのペースに合わせて、少しずつ取り入れてみてください。
「くり上がりって、分かってしまえばこわくない。」
そんな気持ちを、この10枚で一緒に育てていけたらうれしいです。
