――「2けた+2けた+2けた」で位の感覚とくり上がりに強くなる――
どんなプリント?
■ このプリントはどんな内容?
このプリントは、
2けたの数を3つたし算する筆算だけを集中的に練習できる10枚セットです。
1枚あたりの共通ポイントは次の通りです。
- タイトルは大きく「3つの数のたし算」
- 右上に「月日・得点」欄
- 1ページに3行×4列=全12問
- どの問題も、2けたの数が3つ縦に並ぶ筆算形式
たとえば No.1 には、
- 82+89+28
- 70+36+15
- 23+61+18 など、3つとも2けたの組み合わせが並びます。
No.2 以降も、
- 19+91+15、22+79+36 のように「1けたと10の位のバランス」が違う問題
- 82+78+79、96+57+65 など、くり上がりが2回出てくる問題
- 87+37+19、93+84+21 のように、答えが大きく膨らむ問題
がバランスよく配置されていて、同じパターンに偏らない構成になっています。
■ ねらい:3つをていねいに「1列ずつ」たし算できるように
2けたの足し算(2つの数)に慣れてきた子が、
- 一の位の合計が10をこえる
- その分を十の位にくり上げる
- さらに三つ目をたす
という流れを繰り返し経験するのに最適なプリントです。
3つの数をたすことで、
- 「十の位・一の位をそろえて書く」習慣
- 「一の位→十の位の順で計算する」リズム
- 「10をこえたぶんを、十の位にくり上げる」感覚
をゆっくり、でも確実に身につけていくことができます。
■ 基本の使い方
1)「2けたのくり上がりあり」がある程度できたらスタート
このセットは、すべて2けた+2けた+2けたなので、
2けた+2けた(くり上がりあり)までは、だいたい説明なしで解ける
くらいになってから取り組むのがおすすめです。
最初の数枚(No.1〜3)は、
- 先生や保護者が1問だけ板書・ホワイトボードで一緒に解く
- 残りは子どもが自力でチャレンジ
という流れにすると、スムーズに入りやすくなります。
2)1日1枚・5〜10分のミニドリルとして
1ページ12問なので、慣れると5〜10分程度で解き終わります。
- 朝学習
- 宿題前のウォーミングアップ
- 授業の「計算タイム」
などに「今日は No.○を1枚だけ」と決めて取り組むと、無理なく継続できる量です。
■ 効果的に使う3つのポイント
ポイント1:一の位の合計を「10+いくつ」で言わせる
3つの数をたすときのつまずきは、ほとんどが一の位の整理です。
たとえば、No.6 には 58+60+25 や 68+44+23 など、一の位でしっかりくり上がる問題が並んでいます。
- 「8+0+5 は? → 13 だから、10 と 3 に分けよう」
- 「4+3+3 は? → 10 をこえるかな?」
のように、一の位だけを先に口で計算してから、筆算に書くクセをつけるとミスがぐっと減ります。
ポイント2:くり上がりの「数」をはっきり書く
3つたすと、くり上がりが2になることもあります。
例:
- 76+77+91(No.6)
- 54+67+39(No.7)
などでは、一の位の合計が 6+7+9=22 となり、十の位に2をくり上げます。
はじめのうちは、
- くり上がりが1なら、十の位に「¹」
- くり上がりが2なら、「²」
のようにしっかり数字で書かせると、「なんとなく上に点を書く」状態から卒業できます。
ポイント3:問題のタイプを遊びながら見分ける
プリントの中には、
- 答えが100をこえそうなもの(例:99+88+96 など)
- くり上がりが何回も出そうなもの(例:77+99+53 など)
が混ざっています。
授業や家庭で、
「3けたになりそうな問題に○をつけよう」
「くり上がりが2回出そうな問題に△をつけよう」
といった“問題さがしゲーム”をしてから解かせると、見通しをもって計算に取り組む練習になります。
■ 復習のしかた
1)まちがえた問題だけ「再チャレンジカード」に
丸つけをしたあと、×のついた問題だけを小さなカードやノートに書き写しておきます。
- 一の位でまちがえた問題
- くり上がりの数を書き忘れた問題
- 3けたの答えになったのに、位をずらして書いてしまった問題
など、まちがい方ごとに分けてカードにしておくと、毎日少しずつ集中的に復習できます。
2)「今日の3問だけ復習」ルール
すべてやり直すのは大変なので、
「今日もう一度がんばるのは3問だけ」
と決めて、子ども自身に3問を選ばせます。
選んだ問題をノートのすみに書き写して、解答を見ない状態で解き直す――。
この小さな積み重ねだけでも、数日たつと苦手パターンが目に見えて減っていくことが多いです。
3)1〜2週間あけて「ふっかつテスト」
同じ No. のプリントを、1〜2週間あけてもう一度解いてみるのもおすすめです。
- 得点
- かかった時間
- まちがえた番号
を比べて、
「前は 46+95+33 でくり上がりを忘れていたけど、今日はできたね」
「No.10 は、最初よりずっと早く解けるようになったね」
と、“前の自分”との変化を一緒に確かめることができます。
■ 実際に使ってみたイメージ・感想
このプリントを使ったときの子どもたちの様子をイメージでまとめると、
- 最初は「3つもたすの!?むずかしそう…」と言っていた子が、2〜3枚目あたりで
「一の位で 10 をこえたら上に書いて、十の位を足せばいいんだよね」と、やり方を自分の言葉で説明できるようになった。 - 3けたの答えが出たときに、「100こえた!」と嬉しそうに読む姿が多く見られた。
- 家庭では、「今日はくり上がり2回の問題ができたよ」と、問題の特徴を報告してくれるようになったという声もありました。
「3つの数」をていねいにたす経験は、のちの
- 3けた以上の筆算
- 小数の計算
- 複数の数をまとめる文章題
など、いろいろな場面で生きてきます。
“すこし大変だけれど、やり方が分かればちゃんとできる計算”として、算数への自信づくりにもぴったりだと感じています。
■ こんな方におすすめ
- 2けたのくり上がりありの足し算から、もう一段階ステップアップさせたい
- 授業や家庭学習で、筆算の基本をしっかり固めるプリントを探している
- まちがいを通して「考え方」まで振り返れる教材を使いたい
という先生・保護者の方に、ぜひ使っていただきたいセットです。
■ まとめ
- 「3つの数の足し算の筆算」プリントは、2けたの数3つをたす計算を1枚12問×10枚、計120問練習できるプリントです。
- 一の位のくり上がり・十の位への書き込み・3けたの答えなど、3つの数ならではのポイントをくり返し体験できます。
- 1日1枚のミニドリルや、型別復習・ふっかつテストとして活用することで、筆算の土台と計算への自信をじっくり育てていけます。
